大判例

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東京高等裁判所 昭和37年(ラ)121号 決定

しかし、記録に徴すると、原決定は建物収去土地明渡を命じた債務名義にもとづく強制執行のため、民訴第七三三条第一項、民法第四一四条第二項によつて、第一審の受訴裁判所が執行裁判所としてなした建物収去の代替執行の授権決定であることが明かであるところ、抗告人がその主張のように本件建物につき借地法第一〇条による買取請求権を行使した結果本件建物が相手方の所有に帰し、本件代替執行の基本である確定判決による建物収去、土地明渡の請求権が消滅したとしても、このような債務名義の表示された請求に関する実体上の事由の主張は、民訴第五四五条の請求に関する異議の訴によるべきであつて、執行機関に対し右事由により直ちに本件代替執行を許すべきでないと主張することはできない。この点に関し右と異る抗告人の見解は、民事訴訟法が実体上の判断と執行とを別の機関により別の手続で分掌させることを立前としていることにかんがみ採用し難い。本件代替執行が本件建物について抗告人の有する留置権その他の財産権を侵すものとして許すべからざるものである旨の抗告人の論旨も、執行手続において実体上の事由を主張し得ることを前提とするものであるから理由がない。

(関根 福島 荒木)

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